50代役員 - good soil group

今回は、かつて市役所の公務員として働き、地域の歴史や文化と深く関わってきた役員の方にお話を伺いました。公務員時代に培った経験を生かし、現在はグッドソイルグループで圃場の開拓に取り組んでいます。広大な耕作放棄地を再生し、地域社会に貢献するその姿勢には、強い使命感が感じられます。この方がどのようにしてこの道に進み、どのようなやりがいを感じているのか、その背景に迫ります。

簡単に自己紹介をお願いします。

私は、元々は市役所で公務員として働いており、その後に塩を製造・販売する会社に勤めていました。
十数年前、蒲刈が呉市に統一された際、島で任意の商工会を立ち上げ、その代表として活動していた人物との縁により、現在のグッドソイルグループの社長と出会い、2015年には土の改良を進めていた彼に、蒲刈でレモン栽培を提案されました。2016年には、蒲刈で圃場を開拓し、レモンの栽培を本格的に始めることになりました。

グッドソイルグループで働くことになったきっかけはなんですか?

グッドソイルグループの前身である会社で、社長が行っていた土の研究に基づく堆肥を使い、ピーナッツとレモンの栽培を始めたことがきっかけです。その際、社長の「土が良ければ良いものができる」という信念に共感し、この計画に参加することを決意しました。社長の情熱と、農業に新しい風を吹き込む彼の姿勢が、私にとって大きな刺激となりました。

どのような作業を行なっていますか?

現在の主な作業は、放置されて荒れ果てていた土地を再び生産できる農地に変えることです。広大な耕作放棄地を開拓し、土を改良し、植物を植える準備を整え、無農薬のレモンを生産する。これが私たちの使命です。グッドソイルグループのレモン畑では、社長のこだわりの土壌改良と無農薬栽培を行っています。初期に大量に堆肥を投入し、頻繁に剪定を行うことで、風通しを良くし、虫の発生を抑えています。このように、自然と向き合い、土を大切にしながら作物を育てることに誇りを持っています。

仕事のやりがいや達成感を感じる瞬間はありますか?

食は人々の生活に不可欠なものであり、私たちの仕事は、その根幹を支えるものです。生きている間は、体に良く、美味しいものを食べたいし、それを提供したいという想いがあります。その想いを実現できるこの仕事に、誇りを感じています。

また、近年の農業の先細りを考えると、国産の農業がこのまま衰退していくのを何とかしたいという危機感があります。農業は、自分たちのものを自分で生産するという、一つのサイクルに欠かせない業種です。手間も時間もお金もかかる分野ではありますが、誰も行わなければ、そのサイクルは途絶えてしまいます。そんな中で、現在の社長と出会い、共同農業という新しいスタイルに賛同し、共に挑戦していることに大きなやりがいを感じています。

この仕事を始める時、家族や両親からは「考え直してくれ」と言われましたが、広大な耕作放棄地を開拓し、植え付けを行った畑に家族が見学に来た時、実際に行っている作業を目の当たりにして、「すごいことをやっているんだね」と見方が変わり、今では応援してくれています。これから、植え付けた木が育ち、実をつけた時には、家族とも一緒に収穫を行えたらと思うと楽しみです。

グッドソイルグループでの農業について教えてください。

グッドソイルグループでは、農業を一人で行うのではなく、共同農業という形で取り組んでいます。このスタイルでは、みんなで作り上げていく喜びがあり、悩みや疑問を共有しながら解決していける強みがあります。また、グッドソイルグループのレモン畑は、管理方法が独特で、研究に基づいた堆肥を使用し、手間暇をかけて完全無農薬の美味しいレモンを栽培しています。このように、共に働く仲間と共に、新しい農業の形を築き上げていくことに喜びとやりがいを感じています。

今回のインタビューを通じて、長年放置されていた土地を再生し、地域の人々と深い絆を築きながら、農業という新たな挑戦に取り組む姿が伝わってきました。グッドソイルグループでの仕事は、単なる農業に留まらず、地域社会の再生と未来を見据えた大きなプロジェクトの一環です。これからもこの方が持つ情熱と経験が、さらに多くの土地を甦らせ、地域に新たな息吹を吹き込んでいくことでしょう。

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